しるし 4 ―Side Kira
「あれ…?」
ラクスの演説の補助を終えて部屋に戻ってきた僕は、新着メールが何もないPCの画面に目をパチパチさせた。
「…どうかしたのかな?でもそれならカガリが連絡してくるだろうし…」
きっと忙しいんだと自分に言い聞かせて、シャワーを済ますとベットに潜り込んだ。
(アスラン、大丈夫かな…疲れてないかな…)
天井を眺めては脳裏に浮かぶアスランのこと。
アスランは責任感が強いから無理してるんじゃないかな、きっと…
「…会いたいな…」
ひとりの時くらい言ってもいいよね…そう天井に向かってぽつりと呟く。
前だってアスランと別れて悲しかったけど、あの頃の僕はまだ子どもで。あれからまた出会った君と気持ちを確かめ合って、躰を繋げて…こんなに愛しさを知ってしまったから…
「…最初からこうなることが決まっていたのかな…」
呟いては天井に消えていく僕の言葉。
それでも信じたいんだ、また一緒にいられることを──…
『キラ』
「…ん…」
目を瞑ると頭の中に響く、僕を呼ぶアスランの声。
優しく響くその声に、何故だか躰の奥からムズムズとしたものが湧き上がってきて。僕の中心に熱を集めていく。
「…っ…」
我慢しようと躰を縮めてみる。けれど治まりそうになくて…
その躰の疼きに仕方なく、僕はそっとそこに手を伸ばした。
「ン…っ」
触れたそこは既に固く容量を増していて、握った掌から熱さが伝わる。
キュッと唇を噛むと、ゆっくりと手を上下に動かしだした。
「は…ぁ…っ」
じんとくるその感覚に唇から吐息が洩れる。
反対の手で先端に触れると粘着質な蜜が染み出てきていて。アスランがしてくれていたことを思い出しながら、それをクチュクチュと塗り込めるように先端を包み込んだ。
『──キラ…気持ちいい?』
「っ…ふぁ…アスぅ」
アスランにされていると思い描きながら、自身を扱う。
躰が震えて、熱が更に高まっていく…
「あっ…アァ…アスラ…いぃ…よぉ……もっと…強く…してぇ」
そう声を洩らしながら、握った手に力を入れて激しく動かした。
「やぁ…っ、イク…ぅ!!イっちゃうぅ……ッッ」
躰がピンと硬直して。そして先端を包み込んだ掌にドクッと弾きだされる熱い液体。
「ふ…ぁ…アス…ラン……」
まどろんだ意識の中、アスランを呼んで目を瞑る。
暫くして意識を手放しそうになっていたその時、壁についたモニターから通信音が鳴った。
「ん……」
起き上がると目を擦りながらモニターのボタンを押す。そこに映ったのはラクスだった。
<キラ、おやすみになられていたところ申し訳ないのですが、少し付き合ってくださいます?>
「何か…あったの?」
<はい。急なんですけどお客さまがいらっしゃいまして…キラにも一緒に立ち合ってほしいのですが、よろしいですか?>
「あ、うん、わかった。すぐ行くから」
急いで顔を洗って、壁に掛けてあった白服に袖を通す。
「ごめん、お待た…っ?!」
ラクスが待っていると言ったロビーに走っていくと、そこにいたのはラクスではなくて…──
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