しるし 7 ―epilogue of Kira





「き、貴様ッ!!来ているなら連絡くらいよこしたらどうなんだ!!」
「イザーク、落ち着けって…」
「落ち着いていられるかっ!!」

アスランの姿を目にした途端、怒鳴りだすイザークをディアッカがなだめて。

「すまないな、いつも」

苦笑しながら謝るアスランに僕まで笑ってしまった。

「貴様はいつものこのこと…こいつがどんな想いをしてたと…!ッ!?」
「え?」
「ち、違うぞ!今のはディアッカが…」
「素直になればいいじゃん、たまにはさ〜」
「ディアッカ!!こ、こんなやつ放っておいて行くぞ!!」
「はぁ〜まったく…じゃあそういうことで」

プンプンしながら歩いていってしまうイザークをディアッカが追い掛けていく。

「あ…あぁ、悪かったな…ってあいつら何しに来たんだ?」
「一応見送りでしょ?アスランの」

相変わらずだな…とアスランは笑いながら呟いて、ぽんと僕の頭に手を乗せた。

「じゃあな、キラ」
「うん、気をつけてね。カガリにもよろしく」
「…わかった」

荷物を持ってシャトルのステップへと足を進めるアスランの背中をじっと見つめる。

「あ…」

もう一度だけ触れたいと思ってしまうのは我が儘なのかな。でも…


「──待って!」
「っ…キラ?!」


走ると後ろから抱きついて。

「もう一回だけ…キス…して?」
「キラ…あぁ、キラが望むなら何回でも…──」

その場にいた人たちが顔を真っ赤にさせてたなんて知らず、僕たちは口付けを交した。








「アスラン…」

首筋を手でそっと押さえる。そこに付いている君の印がまだ熱い気がするよ。

──僕たちの遠距離恋愛はまだ始まったばかり。


「今度は僕がいくからね」

飛び発ったシャトルを見送りながらそう呟いた。










epilogue of Athrun





「あ…あぁ、悪かったな…」

プラントに来ていることを連絡し忘れたせいで、こんな帰り間際に俺はイザークに怒鳴られ。何しに来たんだ…と呟くと、「一応見送りでしょ?アスランの」とキラが笑って答える。
ニコルの墓参りの時も同じように怒鳴られたっけ…

「相変わらずだな…」

ああ言っていても本当は心配してくれているんだ。イザークたちの後ろ姿を笑いながら見送った後、ぽんとキラの頭に手を乗せた。

「じゃあな、キラ」
「うん、気をつけてね。カガリにもよろしく」
「…わかった」

俺を見上げて微笑むキラに、ついまた抱きしめてキスしたくなる。けれど『こんなとこで駄目だよ』ってキラに睨まれるのは目に見えていて…
ぐっと堪えると、荷物を持ってシャトルのステップへと足を進めた。
その次の瞬間、


「──待って!」
「っ…キラ?!」


ドンッと背中に当たる衝撃に慌てて見ると、そこには抱きついてくるキラ。

「もう一回だけ…キス…して?」
「キラ…」

キラは背中に顔を伏せたまま、恥ずかしそうに小さく強請る。
同じことを考えてたんだな、俺たちは…

「あぁ、キラが望むなら何回でも…──」

微笑んでそっと目を閉じるキラを強く抱きしめると、その唇にキスをした。








「キラ…」

キラにつけた印がいつか本物になるように。頑張るよ、これからも。

──俺たちの遠距離恋愛はまだ始まったばかりだ。


「今度はお前が来るのを楽しみにしてるよ」

シャトルの窓から遠ざかる景色を見下ろすと、そう小さく呟いた。






END**





某グループさまの同タイトル曲からイメージさせてもらった遠距離話です。聴いた瞬間、すぐさまアスキラ変換してしまって…
すすみませんっ!